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現代の包装事情

フィルム包装が主流になるまでは、さまざまなフルーツや野菜に適した包装の開発が多く行われてきたといえるでしょう。開発が始まった当時、輪入が開始されたばかりのキウイフルーツのためのパッケージというものも開発されていたようですが、というのも、キウイを2個か3個で小分けにして販売するためのパッケージを作る為、容器部分はOPSを成形し、OPSフィルムに印刷してラミネートした後に成型したものが開発されたと言われています。このような観点から、食品包装の歴史の背景には、第一に見栄えを良くしたいということが目的として開発され、その次に鮮度の維持や保持と言った部分が主な目的となっていったということが言えるのではないでしょうか。しかし、食品のことだけを考えて進化してきた食品包装の世界ですが、近年、さらに考えなければならない視点が追加されたと言えるのではないでしょうか。それは、環境問題という視点と言え、今は世界中で考えなければならないほどの大問題であるとも言えるでしょう。環境問題が注目されるようになったのは、大気汚染防止法というものが制定された昭和50年を前にしたあたりからとされていますが、90年代の後半に社会問題として話題となった、産業廃棄物を燃やした際に発生するのダイオキシン有機塩素化合物も記憶に新しいのではないでしょうか。この影響を受け、食品包装という業界でも急速な脱塩ビが実施されるようになったと言われています。自治体によっては条例で揮発性有機化合物対策なども掲げられたこともあり、それまで塩ビを利用していたところを、ポリエチレンテレフタラート樹脂と言ったものを利用しての開発が進められてきたようです。現在ではこの素材も環境問題として苦しい局面にある為、業界はさらなる開発に向けて動き出していると言えるでしょう。

カジュアル品と高級品

化粧品のパッケージを具体的に見てみると、情報満載のカジュアル表現であっても、華やかさが中心となります。商品写真と文字情報をあふれるように詰め込んだりして、詰め込んだような印象にします。そこでカジュアル感を出していくのです。中心から広がるレイアウトにすると華やかで化粧品にふさわしいデザインとなりやすいでしょう。反対に価格表示が大きすぎると夢が壊れてしまいます。価格表示は控えめにしましょう。それが化粧品のパッケージデザインの原則です。目立たせすぎると現実に引き戻されてしまうからです。楽しさが消えてしまいます。文字情報を控えめにして余白を大きくしましょう。ゆとりが生まれます。カジュアルさの中に、少し上品さを表すことができます。落ち着いたイメージも与えることができます。高級化粧品のデザインの場合は、情緒性がなによりも求められます。商品写真よりも、イメージ写真や余白を大きくするようにしましょう。そうして情緒性が全面に出てきます。さらに色相はピンクや青や金などの同系色で統一しましょう。対立のない内向的な幻想性を表すことができます。高級商品の場合はイメージ写真という認識が良いでしょう。写真の点数も文字の量も少なくしましょう。情緒性を少なくするほど実用性や開放感が弱まり、高級化粧品らしい情緒性が大きくなります。情報量を多くするとカジュアルになってしまい高級感はほとんどなくなります。気軽に変える雰囲気になります。商品を大きくすると、説明的な分だけ高級感が弱まってしまいます。イメージ写真や余白を大きくして、商品写真と文字を小さくすると高級感も最大になります。医療風は図解などを添えて、整然としたレイアウトで理知的なイメージを表していきましょう。

ファミリー向け商品の梱包デザイン

ファミリー用は暖かく、ほのぼのとしたものがいいと思います。暖色系の配色と家庭の写真が必ず必要とされます。ファミリーのイメージというのは、穏やかで内向的な落ち着きがあって、その上で少しだけ開放的なところがあったら良いとされます。日常的で自然な様子の人物写真と穏やかな配色が表す暖かくほのぼのとしたイメージにします。

ファミリー向けとしては、写真を使う場合は自然なポーズ、明るい配色、自由なレイアウトといったことが基本です。自然な人物写真が家族をイメージさせるようにしましょう。正装や作業着姿ではなくて、普段着の穏やかさが、家族のほのぼのとした日常を連想させてくれます。少しだけ動きのあるポーズが、何気ない光景を思い起こさせます。正面向きのポーズだと、一方の手は子どもの手をつないだり犬を連れているといった演出をしましょう。

シンメトリー性を崩すのが基本です。激しい動きをするのは、子犬や子どもというところで、人物は基本的には穏やかさを保つようにします。配色のほうは同系色と多色でほのかな開放感を表しましょう。暖色を多くすると画面全体が温かくなります。家庭的なイメージをつくることができます。

さらに、メインのトーンを明るくしてみましょう。優しさが加わります。明るい茶色のトーンをベースにして、様々な色相を少しだけちらします。穏やかなファミリー表現が生まれてきます。このような同系色をベースにして、穏やかさを表し、小さな面積の様々な色相を加えると少しだけ開放感が表せます。レイアウトで自由さを表現しまよう。レイアウトの様式のほうは、グリッド性にとらわれないようにしましょう。自由な配置で、ファミリーらしい自由さが表すことができます。

金属缶

金属缶は食品の保存容器として開発されましたが、その後、飲料容器として主要なものとなっていました。ところが、小型PETボトルが飲料容器として導入されると、瞬く間にPETボトルにとって代わってしまいました。PETボトルは種々の利点をもち、その1つにキャップの再封性(リシール機能)が挙げられます。イージーオープン蓋が取り付けられた飲料用金属缶にはリシール機能はなく、そこでキャップ付きの再封可能なリシール缶が開発されたと言う経緯があります。現在実用化されているリシール缶は3種類で、1つは、ポリエステルフィルムをラミネートしたアルミニウム素材から製造したDI缶体の底部に追加工を施してびん口を形成し、開口部に缶葦を巻き締めたものです。このリシール缶は、最初にピール容器として採用された。その後、炭酸飲料、緑茶飲料などに使用が拡大されていきました。もう1つのアルミニウム素材のものは、素材に潤滑剤を塗布後DI加工により缶体にし、外面の塗装・印刷を行った後、DI缶体の開口部に絞り加工を施してびん口を形成し、その後内面塗装を行ったものです。炭酸飲料、ジュース、コーヒーなどに適用されています。スチール素材のリシール缶も開発されています。これは、TULC素缶の開口部に追加工を施してびん口を成形したもので、ETCと呼ばれ、レトルト殺菌が可能である特徴をもっているため、コーヒー飲料などに適し、ホットベンダー適性も備えています。

包装材料のガスバリア性

種々のバリア材料の開発が行われ、それらの包装材料について、各方面から報告されています。エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH) を含む10種類の包装材料の保香性を13種類の香料、晴好品などを対象に比較評価し、EVOHやKOPVAなどガスバリア性の良好なフィルムほど保香性に優れていることが示されています。EVOHとポリプロピレンとを積層して2軸延伸した多層フィルム(バリアスターBS) を含む8種類の包材の保香性が、17種類の調味料、晴好品、芳香物質を対象に比較評価されており、バリアスターBSはPVDCコートOPP(KOP、KOPP)、PVDCコートセロハン(KPT)、PVDCコートナイロン(KON)と同程度に優れた保香性を示すことが報告されています。ポリアクリロニトリル(PAN)系フィルムを含む4種類のフィルムの保香性を6種類の芳香物質を対象に比較評価され、樟脳香、はっか香に対しては、4種類とも4週間以上のバリア性をもつが、ジャスミン香、木香、ばら香では差異があり、良好なものからPAN、EVOH、PET、KOPPの順になることが報告されています。各種フィルムの芳香性の評価は、官能検査によっても行われています。他の方法として、機器分析などを応用した特定香気成分のプラスチックに対する透過特性評価や収着特性評価があります。dーリモネンは、柑橘類の果皮油の大部分を占めるテルペン系炭化水素で、香気成分を代表する物質です。この物質の包材に対する透過性や収着性を評価することは、包材設計に重要であるため、多くの報告が寄せられています。

多層PETボトル

PETのパッシブバリア多層ボトルは、PET/EVOH系とPET/MXD6ナイロン系のボトルが実用化され、成形では、共射出(コインジェクション)によって、まず多層プリフォームが成形され、後工程には単層の場合と同様2軸延伸ブロ一成形法が使用されます。共射出法の場合、中間層は内外層の中に埋め込まれるため、特に接着層を設けなくても実用に耐えうるボトルが出来ています。パッシブバリアPET多層ボトルは、20世紀後半から使用されるようになり、特に酸素の影響を受けやすいビールやワインに顕著です。2種3層構成と2種5層構成のボトルがあり、主に欧州でビールボトルに適用されアクティブバリアボトルに代替しています。炭酸飲料用PETボトルの場合、ボトル内から炭酸ガスが外部へ透過することにより、飲料の炭酸ガス含有率が低下し、品質が低下することがあるため、肉厚ボトルを採用したり、前もってガス圧を高目に設定するなどの対応策が講じられています。またボトル軽量化対応策として、ハイブリッドボトルと呼ばれる、従来と異なるタイプのMXD6ナイロンをバリア層とする炭酸ガスバリアボトルが開発されました。PET/MXD6ナイロン系PETボトルは、従来から酸素バリアボトルとして採用されてきましたが、この多層ボトルには接着材層がなく、PET層とMXD6層の間の接着強度が低いことが知られています。従来のPET/MXD6ナイロン系PETボトルを炭酸飲料に適用した場合、炭酸ガスが内部からPET層を透過し、PETとMXD6ナイロン層の間に透過してきた炭酸ガスが蓄積され、ボトル開栓時一気に炭酸ガスが膨張し、デラミ(層間剥離)が発生してしまいます。このために従来のボトルが使用できませんでした。通常の多層ボトルの断面では、ナイロン層は連続しており、ハイブリッドボトルでは、ナイロン層を縦8本の筋状に分割してナイロン層を間欠的に配置することにより、デラミの発生を抑制する層構成としています。

鮮度保持包装技術

青果物の流通・販売には、現在、個包装が採用されるのが一般的となっています。個包装には、ポリエチレンやポリプロピレンのフィルム袋、ポリスチレントレイとラップフィルムの組合せ、有孔ポリエチレン袋、ネット包装などを使用するのが一般的となっています。また、輸送包装には段ボール箱が使用され、産地で予冷を行って消費地へ送る方式が多く採用されており、鮮度管理が行われています。しかし、1日でも長く鮮度が保持されれば、それだけ流通段階での余裕ができ、在庫管理も容易となります。また、生産時期と消費時期が異なっている作物では、長期間鮮度保持が可能であれば、非常に有効となります。このため、青果物の鮮度保持期間を延長する包材や包装技法が開発されています。青果物は、同じ生鮮食品であっても精肉や鮮魚と異なり、物質代謝を行って生命活動を維持しているため、青果物の鮮度保持技術は、精肉や鮮魚の場合とは大きく異なっています。青果物の活性の程度は、青果物の種類、品種、部位、発達段階や熟度などによって異なり、また、包装される量が異なれば、当然、全体の物質代謝量は異なってくるため、青果物の種類と量に応じて包装形態を採用する必要が生じてきます。

アクティブバリアボトルなど

湯殺菌やレトルト殺菌対応のトレイやパウチの開発が進められています。小さい角形カップは、ダイエット食品のトッピング用フルーツシロップ容器として使用されたことがあります。この製品は85℃-5分の湯殺菌が行われていました。レトルト食品は、一般に酸素の影響を非常に受けやすいため、レトルトパウチのほとんどはアルミ箔タイプのものが使用されています。特にフレーバーが微妙なおかゆ製品には、アクティブバリアパウチが使用されています。この種のレトルト用スタンディングパウチの製品として、白かゆや貝柱かゆなどがあります。他の酸素吸収フィルムを使ったレトルトパウチの製品としては、ホテルブランドのカレー、 シチュー、スープなどの各種レトルト食品があります。また、還元鉄系アクティブバリア容器には、 レトルトカップも開発されコンビニでホット販売されているカップスープ用の容器として当初採用されていましたが、その後、 ホットコーヒーの容器としても使用されているようです。高温になるほど酸化の反応速度が速くなるので、ホット販売される製品では、アクティブバリア機能は非常に有効であることがわかります。その他酸素吸収性キャップを適用する試みも、かなり以前から行われていました。最近では、ガスバリア性PETボトルに充填されたビールに酸素吸収性キャップを併用する例が多くなってきています。また、ポリエチレンナフタレート(PEN)のリターナブルビールボトルのキャップにも適用されています。酸素吸収剤としてはアスコルビン酸や亜硫酸ソーダが使用されています。また、広口びん用の製品では鉄系の酸素吸収キャップもあります。国内製罐メーカーが開発したポリエチレン・スチレン系樹脂・触媒系アクティブバリアボトルは、低カロリーマヨネーズの容器に使用されています。

アクティブバリア材適用の無菌包装

アクティブバリア材の適用として、無菌包装米飯にPPトレイと脱酸素剤を組み合わせた包装が従来採用されてきましたが、これに代わって、還元鉄系アクティブバリア容器を適用した製品が増加しています。このシステムは、袋入り脱酸素剤の誤用防止や電子レンジ適性の向上といった利点があり、米飯の無菌包装では、トレイ容器内の酸素濃度を内容品の充填直後から低レベルにするために、①無菌的に炊飯する工程で米飯内に含まれる溶存酸素を排除②高純度窒素を用いた無酸素充填システムによりトレイ内ヘッドスペースの酸素を排除③酸素吸収性のあるトレイにより外部から侵入する酸素を遮断し、容器内の残存酸素を吸収できる、という3点の配慮がなされています。無酸素充填包装を行う装置では、容器に内容品が充填され、まずヘッドスペースの空気は加熱水蒸気で置換されます。次のステップでは、高純度の窒素がフラッシュされ、ヘッドスペースの雰囲気は高純度窒素と少量の水蒸気となります。ついで蓋材が供給され、ヒートシールと冷却が行われます。内容品の温度が常温になった状態で、ヘッドスペースは少し減圧の状態となり、外観特性も良好です。また、減圧の状態を変位センサーで検査することにより、密封状態の管理を行うことも可能となります。このような装置で作られたトレイでは、酸素吸収層の外側にエパール(EVOH樹指)層が設けてあり、外部からの透過により酸素吸収層に到達する酸素の量を低減することにより、酸素吸収層が蓋から透過してきた内部の酸素を十分に捕捉できるような設計となっています。この容器とガスバリア材にEVOHを使用したPP系の容器の充填を行った後の容器内の酸素濃度変化は、容器内は長期間にわたって好気性微生物の増殖が不可能な酸素濃度レベルに保たれています。一方通常のガスバリア性プラスチック容器を用いた場合、容器内酸素濃度が上昇するため、微生物増殖の危険性が出てきます。このように、高純度窒素による充填時の窒素置換と容器の適用を組み合わせることにより、いろいろな特長をもつ無菌米飯包装システムが確立されました。

包装材生産の現場

包装材を生産する工程が、安全であるとは限りません。労働の安全、衛生に関しては、食品や包装材自体の安全性とは別に、規制しなければなりません。この流れが顕著に見られるのはヨーロッパです。既に90年代には、英国でBSIがOHSASを定めています。このアセスメントは日本でも採用され、労働の安全をマネジメントする重要性が徐々に認識されつつあります。しかしまだまだ不十分な点も多く、今後の改善が課題となっています。  具体例を挙げましょう。EUでは労働者が直接触ることになる機械の安全性を確保するべく、CEマークの取得を義務付けています。ですから日本の優れた包装材生産機器を輸出しても、CEマークが無ければ受け取ってもらえません。CEマークを付与してもらうためには、EU内で安全適合宣言する必要があり、そのためには代理店に依頼する他ありません。英語やフランス語でやり取りするため、語学にも通じていなければなりません。  包装材は優れたものであっても、事故が生じる可能性は否定できません。包装材の欠陥が原因で、消費者が何らかの損害を被った場合、PL法に基づいて対処する必要があります。PL法とは、製造業者の賠償責任を定めた法律で、消費者保護を目的としています。PL法が生まれた背景には、事故の原因が生産者側にあることを、消費者自身が立証しなければならない事態がありました。消費者は包装材や内容物に関しては情報弱者ですから、現実的には難しい立証を課すのはおかしいとの声が高まったためです。その結果、現在ではPL法に則り、生産者の無過失責任が認められるようになりました。つまり包装材の欠陥さえ事実であれば、賠償責任が発生するようになったのです。